全ての医師が8時半~17時の勤務時間内に仕事を終えます

IMSグループ

多くの産婦人科が抱える「深刻な医師不足」の解消を目的に板橋中央総合病院では女性医師対策に積極的に取り組み、男女区別無く医師の働き方そのものを大きく見直しました。

2002年、同病院の産婦人科には50~70歳代のベテラン男性医師が7人いたものの、若手医師は系列病院から1人が送られてくるだけで、ベテラン医師が引退して若手に引き継ごうにも、引き継ぐ相手がいないという状態でした。

そこで、産婦人科部長である森田氏が注目したのが女性医師です。分娩や手術を行う同科で女性医師が働き続けるには、厳しい勤務体系を緩和したり、育児の支援体制を整備したりすることが不可欠でした。

同科では、女性医師対策として2004年から徹底して残業時間を減らすとともに、主治医を決めず複数の医師で患者を診るチーム医療を導入。毎日決まった時間に帰宅できるようにしたのです。同病院には週3日24時間保育を行う院内保育所があったことも幸いし、育児中でも働きやすい環境が整いました。

これらの試みが従来の女性医師対策と一線を画すのは、こうした取り組みを男女区別無く全ての医師に適用したことです。これは育児中の女性医師ばかりが優遇され、男性や子供のいない女性医師にしわ寄せが行くのであれば、結果的に男女双方の医師が働きにくくなると考えたからです。

2004年以降、同科では基本的に全ての医師が8時半~17時の勤務時間内に仕事を終えています。当直は週1回。小学生以下の子供を持つ医師は、希望すれば平日のオンコールは免除されますが、それ以外は男女問わず、どの医師もワークスタイルは同じです。

勤務時間を徹底するため、手術台帳や検査データの記載処理などは可能な限り医療事務に任せています。夕方になっても未記入のカルテがある場合はみんなで協力し合って終わらせます。チーム医療は病棟でも外来でも実践しており、妊婦や患者に説明して同意を得た上で、1人の患者をできるだけ多くの医師で担当しています。

こうした働き方が口コミで広がり、同科の医師は13人まで増え、そのうち半数は女性が占めています。20歳代の若手医師も、男女問わず入ってくるようになりました。育児と仕事を両立でき、男女区別しない新しい働き方は、今後さらに広まっていくと考えられます。