子育て中の女性医師を応援する育児短時間勤務制度
女性医師の数は右肩上がりで増え続けており、医師国家試験の合格者の3分の1以上を占めるようになりました。
しかし、それと同時に「結婚後の出産・育児と医業の両立をどうするか」という新たな課題も浮き彫りになってきました。
特に長時間勤務が付き物の大学病院などの高度医療機関では、出産を機にやむなく退職する医師が多く、仕事を続けられる環境をいかに整備するかが急務となっています。
「子供がある程度大きくなるまでは、一緒にいる時間を増やしてあげたい。しかし、臨床から遠ざかる間に最新の医療についていけなくなるのも不安…」というジレンマを解消すべく、全国の医療機関で導入が進められているのが、育児中の医師でもブランクを空けずに正職員のまま引き続き勤務できるように、1週間の勤務時間を20~30時間に短縮する「(育児)短時間勤務制度」です。
制度の詳細は医療機関や医局によって異なりますが、フレックスタイム、外来勤務のみ、日・当直勤務の免除など、柔軟な勤務体制が用意されています。例えば週25時間(5時間×5日)、午前9時の始業で2時に終業となりますので、医師としての義務を果たしながら、育児にも専念することができます。
育児が落ち着いたら、勤務時間を徐々に増やしていけば、生活のリズムを崩すことなく、常勤医師として復帰することができます。短時間勤務制度の対象となるのは、大抵の場合、子供が小学校に就学するまでとなっています。一度に請求できる期間は1年が最長ですが、その都度延長することが可能です。
ただ、「自分の勤務時間が短くなるせいで、他の医師に迷惑をかけてしまうのでは…」との気持ちから利用をためらってしまうという話も耳にします。しかし、多くの医療機関では、各病院長が率先するかたちで、女性医師が働きやすい環境を整えるとともに、上司や他の医師に理解が得られやすい意識作りの醸成を行っていますので、心配ありません。
近年は育児支援の一環として、院内保育所や、風邪などで院内・院外の保育所に預けられない子供たちを預かる院内病児保育室を完備している医療機関も増えてきました。
将来結婚をして、出産後も離職期間を生じさせることなく、医師の仕事を続けたいとお考えの方は、これら制度が整った医療機関は転職先の有力な選択肢の一つとなるでしょう。
